93歳の親がサービス付き高齢者向け住宅に住み替え。安心の『近居』が実現

公開日:2019年4月19日|更新日:2019年7月18日

「遠方で暮らす高齢の親が心配だけれど、今のところは自立して暮らしているし、なかなかすぐには同居に踏み切れない」という中高年の方や、「年齢を重ねて暮らしに不自由も出てきたけれど、何から何まで子供の世話になるのは気が引ける」というシニア世代の方、きっといらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方々に知ってほしいのが、“サービス付き高齢者向け住宅での近居”という暮らし方。この記事では、お母さまが千葉県船橋市のサービス付き高齢者向け住宅で暮らす、65歳の男性にお話をうかがいました。

目次

92歳にして母親が一人暮らしに

「私の両親は足腰の衰えはあったもの、認知症の症状もなく、お互いに助け合いながら自立して生活していました」と話す男性。

ところが、お父さまが数年前に他界。お母さまは92歳にしていわゆる「高齢独居」になってしまった。バリアフリーや温熱環境の整っていない栃木の家での一人暮らしに、さすがに不安を感じた。

「私を含め子供3人はみな首都圏に住んでいるので、訪問介護サービスを頼み始めたのと同時に、毎週末に交代で母の様子を見に行くようになりました」

お風呂場での転倒を機に母親を呼び寄せ

そんな生活が1年ほど続いたある日のこと、なんとお母さまが風呂場で転倒してしまう。

「幸いにも骨折はせずに済みました。ただ、病院の先生から『一人暮らしを続けるのはリスクが大きい』と忠告を受けたこともあり、母と話し合った結果、姉の家に近い高齢者住宅に引っ越して『近居』してもらうことに決めました」


身の回りのことを一通り自分でこなしていたお母さまには、有料老人ホームほどの介護サービスは必要なかった。そこで自立型のサービス付き高齢者向け住宅を探すことに。

「一戸建てからワンルームの部屋へ移るのは変化が急すぎると思って少し広い部屋を探したところ、浴室や洗面台を備えた居住性の良い部屋を見つけました。安否確認や食事提供のサービスが備わっているのも、足腰の力に不安もある母にはちょうど良かったです」

条件に合った住宅を探すにあたってはインターネットが役立ったという。

サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムで、エリアや専有面積などの条件を指定して検索し、条件に合った2箇所を見学したうえで今の住宅に決めました。このホームページには、全国のすべてのサービス付き高齢者向け住宅が登録することになっているそうです。希望に合うところを見逃す心配が無くて良いですね」

近居で安心感が増し、移動の負担も減った

お母さまが近居することになり、男性は「安心感がずいぶん増した」と言う。

「入居先は姉の家からは車で5分くらいで、私の家からも40分ほど。ちょっと様子を見に行ったり、何かあったときにすぐに会いに行けるのは安心です。栃木の実家まで片道3時間かけて通っていたころに比べると、負担もずっと小さくなりました」


実はお母さまは入居して少し経った頃、部屋で転倒して大腿骨を骨折してしまった。

「母自身では助けを呼べず、安否確認のスタッフが気付いて救急車を呼んでくださいました。栃木で一人暮らしのままだったら誰にも気付かれず何日も経っていたかもと思うと、ぞっとしましたね」

数ヶ月は入院したものの、毎日の熱心なリハビリの甲斐もあり歩行器を使えば歩けるようになって無事に退院。サービス付き高齢者向け住宅での暮らしが再開した。

「入院をきっかけに高齢者住宅を探し始めるケースも耳にしますが、限られた期間での慣れない物件探しは大変です。すでに入居していた母は退院後の住まいに悩む必要が無くて幸いでした

退院から一年、要介護度が下がった!

入院中に要介護3の認定を受けたこともあり、退院時にお母さまのケアマネジャーを選んで介護方針を相談。介護保険の適用を受けながら、平日は週に数回の訪問介護やリハビリのデイサービスを利用することに。週末は子供たち兄弟が交代で訪れ、泊まりがけでお世話をしている。

「私たちが訪ねるときはなるべく一緒に外出するようにしています。買い物は頭も体も使うから認知症予防やリハビリに良いですね。玄関を出てすぐ前の廊下も室内で、いつも冷暖房が効いている。部屋の外に出るのもおっくうになりません

退院してから約1年が過ぎ、その後は幸い事故も無くお母さまの状態は順調に良くなっているという。

「歩き方は前に比べて力強くなってきたし、頭の働きは変わらずしっかりしています。先日の介護認定の更新検査では要介護度が3から2に下がったんです! 90代での回復にはさすがに驚きました(笑)」

バリアフリーが整い、歩行器でも一人暮らしができる

とはいえ、歩行器を使う暮らしはどんな家でも自由にできるわけではない。

栃木の家は室内に段差が多く、一人暮らしは難しかったでしょう。トイレのドアも手前に引くタイプだったから開けるのが大変で、排泄介助が必要だったと思います」

その点、今の部屋は段差が無く、室内の扉もスライド式の引き戸になっている。

「部屋の中を歩きやすいし、ドアも開けやすい。バリアフリーのサービス付き高齢者向け住宅でよかったです

実際に今も朝昼の食事は自分で用意し、住宅が提供する食事は夕食だけ食べている。洗濯は子供たちが週末に訪れたときにまとめてこなしているそうで、浴室乾燥機のおかげで天気に左右されないのが助かるという。

「全体的な家事負担が適度で、今の母にはちょうど良いみたいですね」

サービス付き高齢者向け住宅は程よい距離感の近居にうってつけ

お母さまが入居する住宅は自立型ということもあり80代前半の人が多い。男性は、知り合いのある入居者について話してくれた。

「84歳のとても元気な女性で、家事は自分でこなしていらっしゃいます。それにとどまらず、電車を乗り継いで一人で買い物に行ったり、近所のお子さんの家にもときどき訪れているとか。もともと北海道にお住みで、お子さんの住む関東に越して来られたそうです」

サービス付き高齢者向け住宅での近居という暮らし方について、男性は次のように語る。

離れて暮らす高齢の親御さんを心配する人はきっと多いでしょう。かといって、いきなり同居というのもなかなかお互いに踏み切りにくい。そんな場合に、サービス付き高齢者向け住宅は良い選択肢だと思います

日頃から入居者同士の自然な交流もあり、食堂ではグループで談笑している様子も見られるという。

「似た境遇の人が集まっているから話も合いやすいし、食堂が出す食事は私も行くと母と一緒に食べますが、本当においしい(笑)。私も将来、少し体が思うようにならなくなったりしたら母の住んでいるような住宅に住みたいですね」

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