90代半ばの母親、サービス付き高齢者向け住宅で安心の2年間

公開日:2020年4月3日|更新日:2020年11月25日

高齢になったとき、住まいの問題は避けて通れません。「高齢の親の一人暮らしはだんだん不安に……。身の回りのことはできるから、老人ホームに入るにはまだ早い?」。そんな迷いを持つご家族やご高齢者には、サービス付き高齢者向け住宅への入居を検討している人も多いでしょう。サービス付き高齢者向け住宅は、老人ホームや介護施設と違って生活の自由度が高い住まいですが、「高齢者向けの住宅に入ると日常生活の自立度が下がってしまうかもしれない」と心配な人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、93歳でサービス付き高齢者向け住宅に住み始め、丸2年を過ごし、今もお元気に暮らしている女性を紹介します。ご子息の60代男性からお話をうかがったところ、生活自立度を維持しながら穏やかに過ごせているそうです。

目次

95歳になっても要介護度を維持、要介護認定の有効期間も伸びた

実はこの女性、以前にもご紹介したことがあります(「93歳の親がサービス付き高齢者向け住宅に住み替え。安心の『近居』が実現」)。もともと栃木県の自宅で一人暮らしをしていたのですが、お風呂場での転倒をきっかけにサービス付き高齢者向け住宅に住み替えてご子息との近居を実現したのです。

「母がサービス付き高齢者向け住宅に入居して2年以上がたちました。もうすぐ96歳ですがつつがなく過ごせています。要介護度が3から2に改善したことは以前に話しましたが、つい先日行った要介護認定更新手続きでも2を維持できました。しかも、前回は一年間だった認定有効期間が二年間に延びたんです。一年後の見直しは不要になったということは状態が安定したという意味ですから、うれしく思いました」

サービス付き高齢者向け住宅での訪問リハビリで、歩行能力が改善!

実は入居して間もないころ、お母さまは転倒による大腿骨頚部骨折で入院したことがあったそうです。それでも退院後は歩行器を使いながら自力で歩けていて、今は入院していた病院に毎週一回30分ほどの訪問リハビリを頼んでいるとのこと。男性は次のように話します。

「退院直後は、骨折した足をかばってぎこちなく歩く様子に心配しましたが、今は歩幅も大きくなって比較的スムーズに歩けていて、リハビリの成果が確実に出ていると感じます。最近は、歩行器を使わずに廊下を手すり伝いに歩く練習もしているんです。室内のちょっとした距離なら歩行器を使わないで歩いたり、台所に立ってかんたんな洗い物もできるくらいにまで回復しました。前の家だったら段差が多くて、こんなふうには歩き回れなかったでしょうから、寝たきりになってしまっていたかもしれません。母の年になると、バリアフリーであることのありがたさを感じます」

サービス付き高齢者向け住宅で暮らしながら、歩く力が現状維持どころか改善したのは、90代半ばというご年齢を考えると驚くべきことですね。

朝昼の食事は自分で準備 夕食は住宅の提供する作りたてを楽しむ

家事など身の回りのことについて聞くと、食事についてはお母さま自身でこなせている部分もあるそうです。

「朝食や昼食は、姉や私の家内が週末に用意した作り置きの食事を、母自身がレンジで温めたりして食べています。卵料理が好きなので、オムレツや卵の入った炒めものを作ると喜んでくれます(笑)。夕食は住宅の食堂のものを食べています。そこで作りたての食事も毎日食べられているので、私たちも安心です」

一人では難しい入浴や夜間の排泄は、訪問介護を利用して生活を支える

高齢者の暮らしで問題になることといえば、やはり排泄や入浴。こちらはどのように対応しているのでしょうか。

「排泄については、昼間は部屋のトイレまで自分で歩いています。ただ夜中はやはり転倒が怖いので、ベッド脇に家具調のポータブルトイレを置いて使ってもらうようにしました。たまったものを母が自分でトイレに流すのは困難ですから、毎朝の訪問介護でヘルパーさんに片付けをお願いしています。ちょっとした掃除や洗濯など、母では手が届かない細々とした家事も援助していただき助かっています。入浴も、週2回ほど入浴介助に来てもらっている状況です」

サービス付き高齢者向け住宅は、終末期を見据えながら暮らせる住まい

90代半ばとなっても体調を長く崩すことなく穏やかな暮らしを維持できているのは、日々のコミュニケーションや食事、ちょっとした運動のおかげもあるのではとご子息の男性は話します。

「リハビリや食事の用意など、体をちょこちょこ動かしているのが良いのでしょう。それから住宅の食事サービスを利用するときもそうですし、訪問介護を毎日利用し、週2回半日デイサービスに行っていることで短い時間でも誰かと会話ができているのも良いのだと思います。サービス付き高齢者向け住宅では、できることは自分でして、できないことは住宅の食事サービスや外部の介護サービスを利用するという方法が取れるので、母も自立度を維持できているのではないでしょうか」

できることは今まで通りに自分でこなし、できないことは介護サービスや家族と支え合う。一定の介護を必要とする高齢者がサービス付き高齢者向け住宅に住むうえで、一つの理想的な暮らし方といえるかもしれません。
今は、現在のサービス付き高齢者向け住宅に住んだまま終末期を迎えることも見据えているそうです。

「私や姉の家からほど近く、車ですぐに会いに行けるのはやはり安心です。最近はイベントも増えてきて、バイオリンの演奏会に連れ出したら喜んでくれました。このまま今の住宅で終末期を迎えられれば、本人にとっても良いのではないかと思います。住み替えによる体への負担も小さくありませんから。母も以前、『ここにずっと暮らすんだよね』と言っていたので、同じように思っているようです」

入居者がニーズに合った介護サービスを受けながら暮らしを送ることができる、サービス付き高齢者向け住宅。終末期を見据えることもできる場所として、私たちの老後を支える役割は今後いっそう大きくなっていくはずです。


※女性がサービス付き高齢者向け住宅に住み替えた経緯については、「93歳の親がサービス付き高齢者向け住宅に住み替え。安心の『近居』が実現」で紹介しています。どうぞご覧ください。

他のカテゴリの記事を見る

上へ