高齢者向け住宅 ハウツー プロの意見

プロが見るサービス付き高齢者向け住宅の住み替えに関する課題と必要な知識

公開日:2018年9月26日|更新日:2018年9月28日

「理想の物件を見つけ出そう! サービス付き高齢者向け住宅の選び方」では、サービス付き高齢者向け住宅の運営情報から、物件の特徴を調べる方法をお伝えしました。ただし、そこの情報だけで判断するのは不十分というのがプロの意見でもあります。

この記事では、平成29年2月に行われた高齢者住宅推進機構(当時)のセミナーにおけるパネルディスカッション「その人らしい住まいの選択のために〜運営情報の公表とアドバイザーの意味」の内容より、プロの意見を踏まえたワンランク上のサービス付き高齢者向け住宅の選び方を解説します。

目次

1.多様なサービス付き⾼齢者向け住宅を選択するためのルール作りが課題

サービス付き⾼齢者向け住宅は非常に多様な住まいで、全国展開して非常にしっかりした資本力で企業化してサービスを提供している住宅や、地域の中で実績のある介護事業者などと連携しながら地場の事業者が中小規模で運営している住宅などがあります。

また地域性もあり、実はサービス付き⾼齢者向け住宅がもっとも多い都道府県は大阪なのです。次いで北海道、特に札幌に集中しており、これは高齢者が集まって暮らすというのが気候的にも理に適っているためです。

このように多様性のあるサービス付き⾼齢者向け住宅ですが、入居希望者が本当に自分に合った住宅に入居できているかというと、必ずしもそうではないのが実情です。これは、紹介業者が紹介したり、入居希望者が選択したりするためのルールやガイドラインがまだ整備されていないためです。

今まさに整備していかなければならないポイントなのですが、今現在サービス付き⾼齢者向け住宅に入りたい、探している人は、次の点を参考にしてください。

2.自分の優先順位を明確にしておき、それを満たす物件に絞ろう

サービス付き⾼齢者向け住宅には様々な特徴がありますが、希望に100%応えられる物件というのはごくまれにしかありません。物件を決める時は、希望する条件の選択が必要になります。

そこで、自分がサービス付き⾼齢者向け住宅に求める条件に優先順位をつけておきましょう。本当に必要なもの、必要だけど費用がかかるものなどを整理することで、物件を比較する際の判断基準になります。自分の考えを整理することにもつながるのでおすすめです。

サービス付き⾼齢者向け住宅のマッチング問題のひとつに、探している人の知識不足ということもあります。本来なら事業者側でフォローしなければならないポイントですが、入居希望者本人が自分の状況を正しく理解したうえで希望が明確になっていないと、どの物件がいいのか判断が難しくなります。その点でも、自分の考えをまとめておくことは重要なのです。

3.信頼できるアドバイザーを見極めよう

サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームを紹介してくれるセンターや、住まいアドバイザーという人たちがいます。この人たちに相談すれば物件探しに協力してくれますが、スキルにバラツキがあるのが実情です。そのため、相手が信頼できるかチェックする視点が必要となります。

物件を検討するときにわかりやすく説明してくれて、質問にしっかり回答してくれる運営者やアドバイザーが理想的です。自分の優先順位を明確にして、それをしっかり聞き入れてくれるかをチェックしましょう。また、別のアドバイザーにセカンドオピニオンをお願いするのも有効です。

建物を自ら賃貸する場合は宅地建物取引業の免許が不要なので、サービス付き高齢者向け住宅の契約は、賃貸借の経験が不十分な人が行っていることもあるという実態が指摘されています。

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅ですので、物件仲介や賃貸管理のノウハウを豊富に持つ不動産会社に携わってもらうことで、契約に伴うトラブル防止にもつながります。今後は、宅地建物取引業者の登録があるかどうかが、信頼できるアドバイザーなのかひとつの判断基準になるでしょう。このように街なかの不動産屋さんが、高齢者の心身の状態にも配慮できるような知識も得て、サービス付き高齢者向け住宅事業に参入してもらうのが理想的です。

4.サービス付き高齢者向け住宅発展のため、必要な知識や情報を発信

現在の高齢化社会において、サービス付き高齢者向け住宅はますますニーズが高まっていきます。しかし、業界や事業者サイドで物件紹介のルールやガイドラインが整っていないのが実情です。サービス付き高齢者向け住宅の事業には、不動産や医療・保険はもちろん、税務などの知識が必要となり、まだ発展途上にあるといえます。

利用者が高齢者ということもあり、サービス付き高齢者向け住宅は消費者の理解も浅く、わからないことだらけで不安を感じる人も少なくありません。そのため、消費者から信頼してもらえる制度やルールが急ぎ求められているのです。

今後、私たち高齢者住宅協会でも、高齢者の方々が良い住み替えができるよう、必要な知識や情報をこの高齢者住宅ジャーナルを通してお届けしていきます。

■パネルディスカッション出席者

写真左から
一般財団法人⾼齢者住宅財団 理事⻑ 髙橋紘⼠⽒
国⼟交通省 住宅局 安⼼居住推進課 北真夫氏
一般財団法人サービス付き⾼齢者向け住宅協会 副会長 向井幸一氏
あんしん住まいサッポロ シニアアドバイザー ⻄原桂⼦⽒
神奈川ロイヤル株式会社 サービス付き⾼齢者向け住宅募集センター 星野千鶴⽒
(肩書きは当時のものです)

他のカテゴリの記事を見る

上へ