入居者に聞く生の声③「早めの住替えで『安心』と『自由』を手に入れた」

高齢者向け住宅に実際に住む方の生の声をお届けするコーナーです。「住宅を探したきっかけ」や「暮らしの中で感じたこと」などを語っていただきます。

今回は愛知県名古屋市にあるサービス付き高齢者向け住宅にお住いの『Sさん(85歳)』を取材してきました。

目次

新たな生活はお気に入りのカーテンから

「ピンクのカーテンが嬉しくて」と満面の笑みで自慢してくれたSさん。
義父母と夫が住む家に嫁入りしたが、どこへ行くにも一緒だった夫が、5年前に他界した。
お一人になられてから、息子さんは同居を考えていたが、「若い人の生活を邪魔したくない」という思いもあり、ご自身でサービス付き高齢者向け住宅への入居を決断。入居の1年後には自宅を売却されたという。
ここは「一人で暮らすにはちょうど良い大きさ」。自分だけの自由な空間ができたことに喜び、入居当初は“お気に入りのピンクのカーテン”が嬉しくて自慢していたそう。

良かったことは「全部自分で考えて生活できること」

住宅の中は22㎡で、洗濯機と室内物干しもあり、家事をこなすのも自分のペースで生活ができる。食事は共用ダイニングでとっているが、ミニキッチンもあるため、妹さんやお子様方が遊びに来たときは、ここで大好きなお茶を振舞っているそう。
85歳の自分、92歳と105歳の友人と電車に乗ってデパートへお出掛けすると、「あなたはまだ若いじゃない」と言われるという。お一人でもバスに乗って買い物に出かけるが、「出かける際にスタッフさんが声をかけてくれるから、安心して外出できる」という。
最近始めたカメラは、四季折々の花々の撮影や住宅の庭先にある畑の芋ほりでも大活躍。「誰かにカメラを渡して撮ってもらうことも多い」そうで、お部屋には今にも皆さんの笑い声が聞こえてくるような素敵な写真が飾られていた。

元気を育むダイニング

共用のダイニングでは、1日1回10時に健康体操の配信が行われている。「お出掛けが多いので、ついついお休みしちゃうのよ」とはにかみながら話してくれた。
月に1回先生が実際に来て体操を教えてくれる日がとても楽しみで、先生の写真を撮ったり皆さんととても盛り上がっているそう。

こんなにも活動的なSさん、10年ほど前に歩けなくなり、デイサービスに通ってリハビリをし、要支援を10年間維持している。その時からの長い付き合いの中で、なんでも相談できるスタッフとの交流が元気の源・安心につながっている。

安心して暮らせる住宅は、自分の可能性を広げる

久しぶりに訪問した理学療法士が「背筋が伸びているね」と驚いていた。
自宅に暮らしていたときはちぢこまって、おっかなびっくり動いていたが、ここではバリアフリー・温熱環境が整っていることからのびのび自由に動き回れるので、自宅で暮らしていた時よりも、日常生活自立度が向上したそう。自宅では生活援助に使っていた介護保険を、住み替えてからは訪問リハビリに替え、身体機能の維持向上に役立てている。
おかげで、今では東京までの一人旅を計画中だそう。

スタッフに見守られ、同じ住宅に住む仲間から良い刺激も受け、ますます体力・気力がつき、「まるで羽が生えたような感覚」と喜んでいる。

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