【住み続け・住み替え早めの総合相談窓口より②】80代半ばの母「自宅に帰りたい」ご希望を、玄関アプローチのリフォームで実現

2020年12月から住み続け・住み替え早めの総合相談窓口がスタートしました。
同年8月より、マザアス介護総合相談センターにて、介護にまつわる相談から、高齢期の暮らし方にかかわる幅広い相談に対応されておられる、相談員の北川さんに、どんな相談が寄せられているのか、お話を伺いました。

目次

80代半ばの入院中の母、自宅に帰りたいとのご相談

マザアス介護総合相談センターに、「80代半ばの母親が入院中なのだが、自宅に帰りたいと言っている」と60代男性から相談がありました。
ケアマネジャーやデイサービスの管理者としてこの地域で長年介護現場で活躍されてきた北川さん、男性のお話を伺い、「福祉用具を活用して自宅に住み続けられるのでは」と考え、福祉用具事業所の担当者とともに、ご自宅に訪問することになりました。

お母さまのご自宅は、男性の住まいと隣接していました。隣居であれば、何かあった時に駆けつける体制は整いそうです。
問題は、住宅内の段差。お母さまの寝室は2階でした。お母さまは階段昇降は難しい状態でした。「最初は、大規模なリフォームはお考えではなかったので、寝室を1階に移すことをご提案しました」
ベッド脇にレンタルの手すりを設置することで、家の中での暮らしがどうにかできるようになりました。

外出しやすいように、出入口のリフォームを

玄関から道路までの段差があって外出しづらい

お母さまのご自宅での生活が始まり、しばらくしたころ、男性から相談がありました。
お母さまが、自宅にこもって外出をしていないことをご心配されていました。
介護保険の福祉用具で車いすをレンタルしていたものの、玄関から道路までの段差が多く、外出しづらいのだそうです。高低差が大きくなければ、簡易スロープで解決することもできますが、ご自宅の段差はスロープ設置には急すぎるものでした。


介護保険の住宅改修でも、段差の解消は対象となりますが、対象となるのは、工事費のうちの20万円。

段差解消のリフォームへ

北川さんは、介護総合相談センターで以前にも段差改修工事を依頼したことがあるリフォーム会社に相談しました。

一級建築士、ケアマネジャー、北川さんで、ご自宅を訪問し、道路から玄関まで段差がある中で、どうやったら外に出るルートを確保できるかを検討しました。

現地調査の後も、一級建築士と何度も打合せをして、車いすで移動できるようなスロープの幅や角度については、介護現場の経験から、北川さんがアドバイスをして、ご家族へ説明をしました。

お子さんの家との間の渡り廊下にスロープを新設し、駐車場の位置を移動させて、車いす対応のアプローチを整備するというリフォームにより、車いすに乗ったままで外に出られるようになりました。

外出のしやすさは、高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドラインの配慮項目の第2番目に位置づけられています。年を重ねても、社会の一員として、健やかな高齢期を送る上で大切なポイントですね。

リフォームには支援制度を活用して

介護保険の住宅改修

介護認定を受けている人であれば、介護保険の住宅改修給付を受けることができます。
段差の解消や手すりの設置が対象となりますが、
ただし、限度額は20万円なので、範囲を超える分は自己負担となります。

北川さんから、これから改修を検討する人へアドバイスをもらいました。
「申請には担当ケアマネジャーの意見書が必須です。工事の見積もりも複数業者からとることが必要です。工事代金の支払いルールなど、自治体によって異なるところもあるので、介護保険の住宅改修の経験豊富なリフォーム事業者に依頼するとスムーズです」

リフォーム支援制度の紹介

介護保険以外にも、リフォーム減税制度、自治体の補助金を活用できる可能性があります。
地域によっては、介護認定を受けていなくても、高齢の方がお住まいであれば、バリアフリーリフォームのための補助金を受給可能な場合があります。
また介護保険と一緒に、お住まいの自治体が支給する補助金制度を併用できるケースも多いですが、限度額はそれぞれで、年度ごとに募集枠が限られる場合もあるので、確認が必要です。

自治体のリフォーム支援制度は、リフォーム推進協議会の住宅リフォーム支援制度検索サイトから検索できます。

リフォーム支援制度やリフォームローンの解説冊子 R3年度版

高齢期に向けたリフォームする際にご活用いただける支援制度やリフォームローンについて解説している冊子が発行されました。

最新情報をチェックしてみてください。
●R3年度リフォーム支援制度の解説
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住み続け・住替え早めの総合相談
マザアス介護総合相談センター


編集協力:株式会社マザアス介護総合相談センター

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